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地場産業をITの力でアップデート【株式会社クアンド】|STAEN #注目のスタートアップ2021


ライター名

この記事を書いた人

Kotaro Morimoto

慶應義塾大学法学部在学中。学生のための政策立案コンテストを主催する学生団体GEILでの活動、国立台湾大学への留学を経て、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社のLEAPOVERチームでインターン中。スタートアップ関連の取り組みや制度について学んでいる。

株式会社クアンド

【 代 表 者 】 代表取締役CEO 下岡純一郎

【 所 在 地 】 福岡県北九州市八幡東区枝光2-7-32/福岡市中央区大名2-4-22 3F

【  Vision  】 地域産業・レガシー産業のアップデート(UPDATE THE INDUSTRY)

【事業概要】プロダクト事業:現場向け情報共有プラットフォーム「SynQ」の開発
DX事業:課題抽出からシステム運用まで一気通貫の業務改善・企業価値の創出

【 URL 】https://www.quando.jp/

 

地場産業のIT化が進まない4つの問題

下岡氏は、将来的な起業を考えていた中で、生まれ育った北九州に目を向けた。優良な中小企業や高い技術を持つ研究機関が多いなど、大きなポテンシャルを見出した一方で、八幡製鉄所が産業をけん引していた1960年代をピークに、人口流出・減少が進み地域が衰退傾向にある実態が浮かんできた。

北九州市の経済を支えてきた地場産業は業務プロセスに非合理性・非効率性を抱えている企業が大半だった。にもかかわらず、ほとんどの企業がIT化に踏み出せていない現状があり、その要因を考え抜いた結果、こうした企業には共通して「4つの問題」があることに気づいた。

1つはIT投資をする財務体力がないこと。次にITに関する知識が乏しく何から始めてよいのかわかっていないこと。そしてITシステムを運用するためのリソースや経験がないこと。最後に社内のどの部署が担当なのか不明確であること。この4つの問題に対し、下岡氏は、コンサルティングによる対象企業の課題分析、課題解決の為のシステム開発、システムを用いた事業開発までを一気通貫で支援する事業モデルが必要と考えた。そして、創業から約3年間はシステム・事業開発やコンサルティングで様々な地場企業に伴走し、デジタル化をサポートしてきた。

 

レガシー産業の代表、建設業界の課題解決に着手

当社のプロダクト事業の代表例が、製造業や建設業、設備管理業向けのアプリケーション「SynQ Remote(シンクリモート)」だ。SynQ Remote開発のきっかけは、実家が経営する建設設備会社で働くベテラン管理職が多忙を理由に突然退職してしまったことにあった。建設業界の管理職は、資料作成など現場作業以外の業務で残業が常態化しているうえに事務作業の承認フローが煩雑で作業がその都度中断する。更に、真夏や真冬の現場は体力的にも大きな負担がある等、建設業界の管理職には課題が山積していることが分かった。これらの課題をIT化で解決しようとITベンダーに頼もうとすると、中堅中小企業に現実的ではない多額のコストがかかってしまいなかなかIT化が進まない。こうした建設業界のリアルな課題を解決したのがSynQ Remoteだ。

 

建設業界の非効率に対応したモデル「SynQ Remote(シンクリモート)」

SynQ Remoteはあえて言うならば、建設業界専用のLINEのようなコミュニケーションツールであるが、現場の騒音や使用器具の複雑さなど建設現場の特徴に応じた機能が実装されている点で単なる大衆向けコミュニケーションツールとは一線を画す。以下では、SynQ Remoteの持つ4つの独自機能を紹介する。

ポインタ表示
ビデオ通話しながら相手の画面にポインタを表示することができ、言葉だけでは「そこ、あそこ」などと抽象的になりがちだった場所の指示も、明確に出すことができる。

遠隔撮影
現場の写真を撮りたいが、現場にいる新人に撮影させると思った画角ではない写真が届く…といった悩みを解決するため、遠方にいる管理者が任意のタイミングで写真を撮影することができる。

描画機能
遠隔で撮影した写真に直接書き込みを入れることで指示を出すことが可能。通話終了後には書き込みを入れた画像をダウンロード・共有することができる。

音声文字変換機能
現場の雑音で指示が聞こえづらい場合には、音声を文字に変換する機能を使って指示を出すことが可能。タイピングしたテキストも送信できる。

上画像はSynQ Remoteを使用し現場の様子を伝えている時のもの
株式会社クアンド提供

クアンドの挑戦~フィールドワーカー向け情報共有プラットフォームの構築

2020年11月にSynQ Remoteの製品版をリリースしたクアンドだが、このプロダクト第一弾を皮切りに、「SynQ(シンク)」シリーズとして現場向けの情報共有プラットフォームの構築を進めていく予定だ。「SynQ」が目指すのは「時間/空間/言語を超えて、現場の「知」を「価値」に変換する」ことだ。デザイナー業界のAdobe、ビジネス業界のOfficeと並ぶような、製造業や建設現場・インフラなどのフィールドワーカー業界のデファクトを目指している。すでに設備メンテナンスに特化した第2弾のプロダクトの構想も進んでいる。

株式会社クアンド提供

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